当社は、企業が持続的に成長していくためには、多様な従業員が活躍できることが不可欠であると考えています。当社は、従業員の多様性を尊重し、柔軟な働き方を支援するとともに、公正な処遇を行うことにより、従業員が自分らしく、やりがいを持って働くことのできる環境の整備に努めています。また、当社は事業に関わるすべての人の人権の保護・尊重のための取り組みを進めています。
雇用の状況
アドバンテストグループは、従業員一人ひとりの人権を尊重し、人種・性別・年齢・国籍・宗教・社会的出自・身体的障がい・疾病・性的指向などによる差別を排除することを、基本方針で約束しています。また、採用や人事処遇においても、差別を排除し、グローバルに活躍できる人財の採用、育成、登用に力を入れています。
従業員数の推移は以下のとおりです。
地域別従業員数
-
*集計範囲:アドバンテストグループ
地域別管理職数
-
*集計範囲:アドバンテストグループ
-
*管理職の定義:10段階の資格制度におけるLevel7以上。10段階の資格制度のうち、ジョブレベル1から6を一般社員層に、ジョブレベル7から10を管理職層に適用しています。
雇用形態別従業員数
-
*集計範囲:アドバンテストグループ
年齢別社員数
-
*集計範囲:アドバンテストグループ(正社員のみ)
新規採用数
-
*集計範囲:アドバンテストグループ(正社員のみ)
離職者数
-
*集計範囲:アドバンテストグループ(正社員のみ)
-
*月末日の離職者について、当月の離職者数に含める方法から、翌月の離職者数に含める方法に、2019年12月から変更しました。
ダイバーシティへの取り組み
会社の持続的な成長のためには、多様な従業員一人ひとりの活躍が不可欠です。そのため、アドバンテストではコア・バリューの一つとして「INCLUSION AND DIVERSITY」を掲げ、誰もが働きやすい職場環境をつくり、プライベートと仕事を両立しながら能力を最大限に発揮し続けられる働き方を浸透させていくことが重要だと考えています。その考えのもと、アドバンテストで働く一人ひとりが個性や能力を最大限に発揮し、いきいきと活躍し続けられる職場づくりや企業風土の形成に積極的に取り組んでいます。
グローバル人財の採用・活用
アドバンテストは一貫して優秀な人財のグローバルな活用に努めることで成功・成長を目指してきました。その中でも特筆すべきは、2011年のVerigy社の統合です。この統合により、従業員の半数近くが海外になるという、人員構成上の大きな変化が起きました。現在ではこの傾向がさらに強まり、約6割が海外となりました。そのため近年は、事業のグローバル化を背景に、異文化に対する深い理解と高いコミュニケーションスキルを持って、グローバルな舞台で業務を遂行できる人財のさらなる獲得を目指しています。
また、ビジネス環境のボーダーレス化に伴い、グループ各社との人財交流を通して、人財育成、組織のグローバル化を推進するため、ワールドワイドな視点での制度構築および人財の採用、育成、配置等に力を入れています。たとえば、社員にグローバルな環境下での業務遂行を経験させるため、グループ各社との人財交流を継続的に行うこととし、双方の組織における日常業務やトレーニングを通して、それぞれの持つ技術やノウハウを共有することで、個々の社員がより高度な技術と多様なビジネス環境に適応したスキルを習得する取り組みを実施しています。
グループ各社との人財交流をしやすくするため「Global Transfer Policy」を策定し、グローバルで職種に関係なく、かつ公平に処遇できる体制をとっています。また、グローバルで人財獲得競争が激化していることから、株式報酬の付与対象範囲を拡大するなど、優秀な人財のリテンションに努めています。
2024年7月現在、経営幹部である執行役員26名中14人が外国籍であり、アドバンテスト単体では、11カ国の国籍の社員が働いています。今後も、優秀な人財には国籍を問わず公平にチャンスを与え、国境を越えた人財登用、交流により、グローバル人財の育成と組織のグローバル化を推進していきます。
副業制度による多様な働き方への支援
アドバンテストは、従業員の多様なライフスタイルと個々の成長のため、多様な働き方について検討しています。その一環として、従業員のスキルアップや多種多様な人財の獲得、定着化を目的として、全従業員を対象に副業のルールを2022年11月に整備しました。2024年7月現在、25名が副業を行っています。
アドバンテストには特別なスキルをもった多種多様な従業員がいます。副業は、従業員がそのスキルを向上、あるいは開発する機会を得られるだけでなく、それを会社がグリップすることで社内イノベーションの創出にもつながると考えています。
一方、当然副業によって生じるリスクもあります。そのため、副業実施に当たっては許可制にしたほか、副業実施者とその所属長が、注意点を十分に理解した上で副業を開始できるよう、その両者に対してマニュアルの熟読とe-learningの受講を必須としています。
副業は、そのリスクに対して十分に配慮する必要はあるものの、従業員のスキルの開発や向上、社内イノベーションの創出など、従業員だけでなく会社にとっても魅力的なものです。時代の変化に応じてルール整備を行いつつ、有意義なものになるよう努めていきます。
女性活躍の推進
アドバンテストは、常に多様な価値観を受け入れ、人種・性別・年齢・国籍などに関係なく活躍できる企業風土づくりを推進しています。2024年3月現在で全従業員のうち女性の割合は全体の21.8%(前年度21.2%)、管理職における割合は9.4%(前年度9.0%)であり、女性従業員の採用と管理職に占める女性比率のさらなる向上が課題です。
当社では、もともと男性比率が高い技術系の学生の採用が多く、従来の採用活動では女性が当社を受験するための動機付けができていませんでした。こうした状況を踏まえて、特に技術系の女性に対して当社の魅力を伝えることに注力し、女性向けのPRを強化しています。ウェブサイトや採用パンフレットでも女性社員の活躍を広く伝え、また、就職イベントでは、女性向けの制度やキャリアプランなどの説明を行い、アドバンテストの女性社員がどのように活躍しているかを紹介しています。
アドバンテスト単体においては、2018年度から女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画で管理職に占める女性割合を産業ごとの平均値以上とする数値目標をかかげ、目標達成に向けた取り組みを推進しています。2020年11月には、女性活躍推進法に基づく「えるぼし 認定段階2(2つ星)」を取得しました。女性社員には様々なライフステージの変化があることを踏まえ、個々人の状況に応じて柔軟な働き方ができるよう家庭と仕事の両立支援制度に力を入れています。女性社員が長く働き続けられる環境整備を進めることで、女性社員の活躍の機会を後押ししています。
当社は、今後も継続して女性比率を上げる取り組みと長く働き続けられる制度の両輪を進めることで、女性管理職比率の向上にもつなげていきたいと考えています。
キャリア入社従業員コミュニケーション向上への取り組み(国内)
アドバンテストでは新卒入社の従業員が過半数ですが、ここ数年でキャリア入社の従業員が増えています。キャリア入社の従業員が当社の経営理念や製品への理解を進め、他部門のメンバーとの親交を図れるよう、2023年から以下のような取り組みを実施しています。
-
キャリア入社フォローアップデイ
-
ミステリーランチ
-
開発部門見学会
-
Greeters
これらの企画は従業員のことを考えた声から生まれました。想いに応えた有志がつながり企画となり、キャリア入社との交流が促進され、さらに新しい企画へとつながっていきました。キャリア入社の従業員が活躍しやすい環境は、すべての従業員が活躍しやすい環境につながります。今後も多様性を大切にし、組織を活性化していきます。
なお、キャリア入社の従業員向けにはグローバルで実施しているNEOもあります。詳細は、「Global New Employee Orientation (NEO)」を参照ください。
キャリア入社フォローアップデイ
直近約2年間のキャリア入社の従業員を対象としたフォローアップ研修を立ち上げ、98名が参加しました。
これまで、キャリア入社の従業員向けの研修としては、人事部による入社日当日の規定等の説明を主とした導入研修と他の従業員も参加するビジネス研修が主となっていました。他によい研修プログラムはないか、横のつながりを増やすことはできないかという人事部の想いと、自社製品や歴史について知りたい、他の事業所も見学したいというキャリア入社の従業員からの要望が合致したことでこの研修が実現しました。
この研修は、1日でキャリア入社の従業員同士がコミュニケーションを深められるプログラムです。
懇親会には上司や本部長も出席し、和気あいあいとした時間となりました。実施後のアンケートでは、「普段接しない人とコミュニケーションできてよかった」という声がたくさん寄せられました。
今後第2弾として、The Advantest Wayに関するディスカッションを予定しています。
ミステリーランチ
課題であった従業員コミュニケ-ション向上のため、特に横のつながりが少なく困っていたキャリア入社の従業員を中心に、部署を超えたメンバーでランチ会を実施しました。このランチ会をミステリーランチと名付けました。なぜミステリーかといえば、参加希望者の中からランダムに選ばれた3~4名で、一緒にお昼ごはんを食べる企画だからです。企画の検討を進める中で率先して事務局に加わってくれるキャリア入社の方も増え、ランチ会は丸の内本社、群馬R&Dセンタ、埼玉R&Dセンタで行われ、参加者は延べ100名以上になりました。今までにない取り組みだったため、ランチ会は会社への素朴な疑問が解消したり、困ったときに相談できる人ができたりと、その後につながる有益な時間となりました。
ランチ会に参加したメンバーでその後親睦会を行い、社内で友人ができた人もいました。GallupのエンゲージメントサーベイのQ12®には、「Do you have a best friend at work?」という設問があります。社内で友人ができるということは、エンゲージメントに繋がるとされており、よい取り組みだったと考えています。
Gallupのエンゲージメントサーベイの詳細は、「従業員エンゲージメント」を参照ください。
開発部門見学会
この取り組みは、管理部門の管理職から「管理部門には、自社の製品についてわからない人も多いので、勉強できる場を与えてあげたい。自分たちの会社が扱っている製品を実際に見て知ることはエンゲージメント向上に繋がるはず!」という提案があり実現しました。
メモリ、T2000、V93000の各製品について担当者からレクチャーを受けた後、実機を見学しました。その後、管理本部だけでなく、新入社員、キャリア入社の従業員、間接部門の従業員にも展開されました。 参加者からは好評の声が次々と届き、今後もこの取り組みは継続する予定です。
Greeters
キャリア入社の従業員が活躍できる環境支援のため、国内4拠点11名の有志による働きかけで、2024年4月に「Greeters」というコミュニティが発足しました。
「Greeters」は、入社したばかりの従業員が壁にぶつからないよう、同じような経験を持つ従業員を中心に、気軽に問合せや相談ができる従業員交流の場を提供しています。国内各拠点から約60名が登録している「Greeters」のグループチャットには、有志による自己啓発セミナーの開催や、技術イベントの紹介など、悩み相談以外にも業務内外で役立つ情報が飛び交っており、キャリア入社の従業員の新たな発見の場になっています。
シニア人財の積極活用(国内)
アドバンテストは、シニア人財の活用の観点から60歳定年後の再雇用制度を導入していますが、2013年4月の高年齢者雇用安定法の改正や国の年金支給開始年齢の引き上げなどに伴い、再雇用制度を改定しました。シニア人財の雇用の安定を図るとともに、定年前の経験や配属を考慮した処遇、配属を行うことで、ベテラン社員のスキルやノウハウを積極的に活用しています。また、一人ひとりの成果が評価として賃金に反映されるしくみを設け、モチベーションを喚起することにより、賃金に見合う成果を期待しています。また、2018年度には本人の希望により短時間勤務および短日勤務制度を導入し、就業日以外の副業・兼業を行えるよう制度を整備しました。
2023年度に新たに再雇用制度を利用開始した50名のうち、短時間勤務を1名、短日勤務を5名、それぞれ利用しています。この制度の導入により、シニア人財は個々のライフスタイルに応じてフレキシブルに勤務することが可能となり、さらなるワークライフ・バランスの実現につながっています。
実例
アドバンテストでは、2022年6月から生産本部で長年の経験を持つシニア社員が主導し、群馬工場で働く従業員向けに「テスタって何?」という講座を開催しています。この講座誕生の背景には、製品が複雑に進化する中で製品への理解が難しくなっており、また、生産台数が急増する一方でコロナ禍と部材調達の課題が重なるなど、従業員の心理的負荷が大きくなっているという事情がありました。「テスタについて知ることで、自身の業務と製品、また、製品と社会の関係を理解し、仕事にやりがいを感じてくれたら」という思いで、シニア社員が企画しました。
本講座は、少人数開催で開催し、受講者の理解度に応じた説明スタイルを採用したことによって受講者と実施者の双方向の学びの場となっています。2023年4月までに47回実施され、生産本部の半数以上にあたる237名が受講しました。
回を重ねるごとに、自身の業務と製品の関係、また、製品が社会でどのように役立っているのかを従業員が自分ごととして理解しやすいプログラムに進化しており、従業員エンゲージメントの向上にもつながっている手ごたえを感じています。
2023年5月から社内報を通じてこの活動に共感した従業員からの要望により講座内容は共有されています。現在、国内外の6部門でそれぞれの業務に応じた「テスタって何?」講座が展開されています。
再雇用制度利用者推移
障がい者の雇用
アドバンテストは、障がいのある方の雇用推進を目的とし、特例子会社アドバンテストグリーンを2004年9月に設立しました。同社は設立以来、「『個人の自立・社会の成長』を地域と共に」をスローガンに、障がい者の雇用促進と就労安定に努めています。
事業内容は主に、造園・清掃・正門受付・配送・パンの製造販売・リサイクル促進など、従業員が気持ちよく働ける職場環境を提供することです。地域社会や関係機関と連携しながら、障がいのあるなしに関わらず、共に働ける職場環境づくりに積極的に取り組んでいます。
また、海外グループ会社においても13名の障がい者が就労しており、意欲高く業務に取り組んでいます。
2024年3月現在、アドバンテストの障がい者雇用率は、2.84%と法定雇用率を上回る状況ですが、今後の法定雇用率見直しも念頭に積極的に雇用を促進していきます。
新規雇用への取り組み
作業手順の標準化や作業の可視化を推進するなど、障がいがあっても十分に仕事ができる環境整備を行なっています。様々な障がいをもった方が活躍できる職場であることを、特別支援学校等に紹介し、実習生や見学会の希望なども積極的に受入れるなど雇用につなげています。
リサイクル事業として、棄却文書などの使用済みの紙から新たな紙を生産できる製紙機を導入し、再生紙によるコピー用紙や名刺、カレンダー等を作成し提供する事業を立ち上げました。雇用促進と環境貢献につながる取り組みを推進しています。
製紙機によるリサイクルの詳細については、環境ページの「資源循環」から参照ください。
働きがいへの取り組み
障がいのある社員の「やりがい」や「働きがい」などのモチベーションを向上させる目標制度や表彰制度、他者評価を取り入れた「月間MVP制度」を実施するなど、お互いを尊重して思いやる風土を醸成しています。
さらに各々の障がいに応じた職場支援をするため、職場適用援助者(ジョブコーチ)や障害者職業生活相談員、キャリアコンサルタントなどの有資格者を配置するとともに、家族や支援機関会社との定期的な4者面談を実施するなど、課題の情報共有と問題の早期発見に努めています。
2021年度には、以上のような取り組みや長年にわたって積み重ねてきた従業員の努力が埼玉県より評価され、アドバンテストグリーンの従業員2名が優秀勤労障害者として「埼玉県雇用開発協会会長表彰」を受賞しました。
障がい者雇用率の推移
公正な評価・処遇
業績評価やキャリア開発に関しては、グローバル共通の制度となっています。期初に立てた目標に対し、期中に上司と適宜コミュニケーションを図るとともに、年度末の考課面談を通じて行っています。この面談は、正社員だけでなく、一部の契約・嘱託社員にも実施しています。
報酬については、公平性を重視するだけでなく、将来の成長を支える優秀な人財のリテンションにも取り組んでいます。
ARMS人事制度
アドバンテストは、海外売上高比率が90%以上、全従業員のうち6割以上が海外関係会社の従業員で占めており、 グローバルカンパニーとして事業を推進しています。この体制を踏まえ、当社は2012年4月、世界の複数拠点による協業や人事交流・異動などを円滑に進めていくためのグローバルに統一された人事制度、「ARMS (Advantest Resource Management System)」を導入しました。
グローバル人事制度
「ARMS」では、これまで各国の事業会社が独自に定めていた資格制度を廃して、新たに世界共通の10段階の資格制度を整備しました。この制度では、ジョブレベル1から6までを一般社員層に、ジョブレベル7から10までを管理職層に適用しています。管理職層については、予算管理や部下の考課・労務管理などを担当するマネージャーと、業務の取りまとめや業務遂行に専念するマネージャーの2系統を制度化しました。部下をもつライン長を前者、それ以外のスペシャリストを後者に位置づけ、複線型の資格制度とし、多様な人財をマネージャーとして処遇できる体制としています。
また、基本給や賞与などの給与体系についても世界共通のルールを適用しています。例えば、従来のアドバンテストでは、賞与は所属する各国法人の業績を反映する仕組みが主でしたが、新制度では連結決算の損益を反映する仕組みに変更しました。さらに、人事考課についても2012年度から新しい制度を適用しています。これらグローバル共通の新制度によって、社員は世界のどの組織に所属していても同一基準の評価・処遇が適用されており、すべての社員が評価、育成等に関する面談を年1回以上受けています。
本グローバル人事制度導入後、日本からの海外出向者の増加や海外関係会社間の人財交流などが図られ、組織の活性化、企業業績の伸長に寄与しています。
グローバル・ジョブレベル & タイトル
一方、就業時間や在宅勤務制度の有無など詳細な労務管理については、世界各国の法令や現地の労働習慣などに応じて個別に運用していく仕組みです。
2014年度以降、グローバルな人事データベースを整備し、グローバル規模でのプロジェクトチームの組成やスムーズな人事異動などに有効活用しています。また、2015年度の人事考課よりグローバルな人事考課システムを導入し、利用を開始しました。
今後も、グローバルな人財開発システムの整備や、多様な人財の積極的な雇用・登用によるダイバーシティの推進、各国の事業戦略などに即した人財採用戦略の策定や、グループの多様な人財がそれぞれの能力を最大限に発揮できる職場環境の整備に積極的に取り組んでいきます。
コア・バリュー視点を考課システムにも反映
2019年にコア・バリュー「INTEGRITY」を導入した際には人事考課制度の評価シートに加えることで、期中の行動を振り返るきっかけの1つとしています。
具体的には、"INTEGRITY"に込めた9つの価値観(Innovation/Number One/Trust/Empowerment/Global/Respect/Inclusion&Diversity/Teamwork/Yes)を評価シートの行動考課として自身の行動を項目ごとに記載できる形式としています。評価面談時に上司との対話を促し、面談後に上司がコメントを記載してフィードバックしています。
コア・バリューを研修等によって頭で理解するだけでなく、考課時に自身の行動と結びつけ振り返ることによって、従業員一人ひとりの変化を促し、課題に柔軟に対応できる組織にしていきたいと考えています。
新しい管理職候補育成・管理職登用制度を導入(日本)
アドバンテストでは、2023年10月に新しい管理職候補育成・管理職登用制度であるMP-1(Management Program 1)を導入しました。これまで、管理職への登用については、本部長推薦に基づく役員面接で行ってきましたが、新任管理職の平均年齢上昇や早期登用の難しさが課題でした。また、管理職を目指す従業員の育成メニューも十分とは言えず、グローバル人財の育成が急務でした。そこで、年齢、性別を問わずやる気と能力のある従業員に管理職にチャレンジする機会を提供するとともに、自律的なキャリア形成を促し、管理職として活躍できるよう育成を行い、当社グループの持続的成長に貢献できる人財輩出を目指します。
MP-1概要
-
完全挙手制
受講者は推薦ではなく、本人の挙手(応募)に基づき、選考の上、決定されます。 -
多様な育成メニュー
リーダーシップ、マネジメント、コーチング、語学、論文、グループ研修、役員面接など12の科目全てを履修し合格した者がMP-1修了者となります。 -
MP-1修了が管理職登用の条件に
移行期間後は、新たに管理職となるには、MP-1を修了していることが条件となります。MP-1修了者は、管理職の空きポジションが生じた際に、社内公募または人事異動により管理職となります。 -
若手にも管理職登用の可能性
新卒入社の場合、入社4年目から応募が可能であり、20代で管理職に登用される可能性があります。
インセンティブおよびリテンション
当社では2002年よりストック・オプションを役員、国内外幹部従業員向けの株式報酬として導入しました。この株式報酬制度をインセンティブおよびリテンションとしてより機能するよう、いくつかの変遷を経て、2021年度の第2期中期経営計画の策定とあわせて社員がグローバルに当社の株式を保有できる枠組みを構築しています。
海外では人財獲得競争が激化しています。ワールドクラスのエンジニアを確保するため、当社では報酬の付与対象範囲を拡大し、3~5年の譲渡制限期間付株式報酬としてのリテンション用のRSUを導入しています。リテンション報酬の範囲や規模については継続して検討を行っています。
適切な給与水準設定、「INTEGRITY」の浸透を通じた快適で働き甲斐のある職場づくりに加えて、こうしたインセンティブおよびリテンション施策が離職率の改善にもつながると考えています。
株式報酬制度の概要と推移
年金制度
アドバンテスト(国内)は、退職金の制度としてポイント制を導入しています。また、退職金制度の一部として、基金型の確定給付型企業年金を導入し、一定の条件のもと退職金を年金として受け取ることができます。
2018年度に確定給付型企業年金制度の一部を確定拠出型企業年金制度に変更し、ポイント制の退職金制度とは別に、確定拠出年金制度をスタートしました。
その結果、退職金は会社支給の退職一時金と、勤続年数により年金化が可能な基金支給部分と、確定拠出年金制度の3本立てとなっています。