2024年 吉田社長 年頭所感(要旨)

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「AIの上昇気流を捉え、飛躍の年に」

新年明けましておめでとうございます。
また、能登半島地震の被災地の方々には心よりお見舞い申し上げます。

昨年は、各国が財政政策や金融政策の見直しに動き、世界経済の減速感が強まりました。半導体市場もコロナ特需の反動から調整が続いており、当社では2022年度までは3年連続で最高売上・最高利益を達成したものの、2023年度は当初の予想通り久々に調整の年となります。
市場予測データによると、2024年は、マクロ経済の停滞が続く一方で、半導体市場・半導体製造設備市場は活況に転じるとされています。キードライバーは生成AIで、既に当社にはHBM(High Bandwidth Memory)向けに多くの受注が来始めています。今後はデータセンターのみならず、AI機能付きのPCやスマートフォンへの買い替え需要も期待できるので、いずれSoCテスタも回復してくると考えています。さらに、AI半導体の開発に取り組む大手クラウド各社とのプロジェクトが動き始めています。今年から来年にかけて再び成長の波がやって来る、と見込んでいます。

今年は当社創立70周年、そして第3期中期経営計画(MTP3)の初年度ですが、良いスタートを切ることができそうです。
今年の干支の「龍」は、東洋と西洋とでは意味合いが違うようですが、実力・幸運の象徴である東洋の昇り龍にあやかり、生成AIという上昇気流を捉えて飛躍の年にしたいと思います。
また中国には「龍生九子」という、龍から生まれた9匹の子供を指す言葉があります。9匹の子は姿形が異なり、龍には成れなかったものの自分の個性や強みで活躍したとされ、Diversityを表す言葉でもあるそうです。当社のコア・バリューのINTEGRITYが9つの異なる単語で構成されているのと似ていますが、これらを飛躍の原動力にしていきます。

半導体の市場規模が2030年頃に1兆ドルに倍増すると予想されている通り、半導体はこれからも質・量ともに進化・増大していきます。半導体テストは、半導体のイノベーションを支える重要な役割を果たしており、半導体テスト市場は半導体市場と同程度あるいはそれ以上の成長が期待できます。当社はこれからも経営理念に則り、最先端の半導体デバイスへのテストソリューションで、社会の発展に貢献していきます。そのために、強固な顧客基盤と多彩な製品ポートフォリオ、グローバルなサポート力を活かし、サステナブルな事業運営に邁進していきます。

2024年の事業環境は比較的良好だと考えていますが、世界を見渡すとさまざまなリスクが燻っています。私が重視する今年の経営課題は、以下の4つです。

1. 経営体制と権限委譲

経営のスピードアップを目指して、経営体制や業務執行の在り方を見直していきます。今年も引き続きさらなる権限委譲を進めていきます。

2. サプライチェーン管理の高度化

需要は今後も変動を繰り返します。今回のダウンターンにおけるサプライチェーン管理の反省点から学び、次の需要の波に活かしていきます。

3. 人的資本経営、エンゲージメント

当社の将来の成功は、社員一人ひとりのパフォーマンスにかかっています。さまざまな強みや個性を持つ社員が、スキルを身に付け、自身の可能性を最大限発揮できる環境をこれからも提供していきます。

4. サステナビリティ

MTP3のスタートに合わせて、サステナビリティ行動計画を改訂します。半導体市場が成長し当社が発展するにつれ、当社への期待と社会からの要請は増すばかりです。当社にふさわしいKPIを定め取り組んでいきます。

当社は今年創立70周年を迎えます。これを通過点に、社員全員で100年企業に向かって進んでいきましょう。

アドバンテストについて

アドバンテストは、計測技術をコアテクノロジーとするテスト・ソリューションカンパニーです。1954年の創業以来、エレクトロニクスの発展とともに成長し、人びとの暮らしの「安全・安心・心地よい」をサポートしてきました。主力製品となる半導体試験装置は世界最大手であり、当社の海外売上高比率は9割を超えています。アドバンテストは、「先端技術を先端で支える」という企業理念のもと、進展著しいデジタル社会のインフラストラクチャーである半導体の品質や信頼性の向上を通じて、社会の持続可能な発展に寄与しています。詳しくは当社ウェブサイト(www.advantest.com/ja/)をご参照ください。

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