株式会社アドバンテスト(本社:東京都千代田区 社長:吉田芳明、以下「当社」)は、量産用テスト・ハンドラ「M4841」向けに新たなアクティブ・サーマル・コントロール(Active Thermal Control、以下ATC)機能「ATC 2.0」を発表しました。ATC 2.0は、車載用半導体の試験中にデバイスの自己発熱によって発生する温度変動を動的に制御することで、高精度、高スループット、短時間でのデバイス量産テストを可能にするとともに、最大16個のデバイスを同時にテストすることができます。
電気自動車(EV)やインフォテイメント、そして間もなく始まるレベル4の自律走行など、今日急成長する自動車関連のアプリケーションでは、大規模なデータ処理が要求されています。半導体製造プロセスの進化によってデバイスの性能が向上し、電力効率が改善するとともに、熱設計電力(Thermal Design Power)も増加の一途をたどっています。半導体テストにおいても、テストの最中にデバイスが自己発熱することによりデバイスの温度制御が一層困難になっており、デバイス温度管理を高速かつ安定して行うことができるテスト・ハンドラの必要性が高まっています。
ATC 2.0は、デバイス内部温度の高速センシング技術、および応答性に優れる加熱冷却装置を統合し、デバイスの温度変化に動的に対応します。従来の温度制御技術と比べ、試験中の発熱の変動に対しても高い負荷追従特性を発揮することでデバイス内部温度を設定した試験温度に維持し、一貫性の高い試験環境を提供します。安定したテスト環境下で、お客様はより高い自由度でテスト・プログラムを構築することが可能となり、テスト全体の生産性を大幅に向上させることができます。
当社DH事業本部 本部長 山下 和之 コメント
当社のATC技術は、当社の他のハンドラ・シリーズでも高い効果が実証されています。車載用や産業用など、大規模なデータ処理を行うデバイスの需要が高まる中、半導体テストにおいても従来の受動的な温度制御では十分とはいえません。ATC 2.0の動的な熱検知と冷却機能を量産向けテスト・ハンドラM4841に適用することで、当社のハンドラ・ソリューションは包括的な付加価値をお客様に提供いたします。
「M4841」は、モバイル機器や車載向け半導体など多様なデバイスを多数個同時に高スループットで試験することができるテスト・ハンドラです。ATC 2.0と合わせて用いる場合、最大16個のデバイスを同時にテストすることができます。
ATC 2.0 オプションは2024年4月より販売を開始します。
アドバンテストについて
アドバンテストは、計測技術をコアテクノロジーとするテスト・ソリューションカンパニーです。1954年の創業以来、エレクトロニクスの発展とともに成長し、人びとの暮らしの「安全・安心・心地よい」をサポートしてきました。主力製品となる半導体試験装置は世界最大手であり、当社の海外売上高比率は9割を超えています。アドバンテストは、「先端技術を先端で支える」という企業理念のもと、進展著しいデジタル社会のインフラストラクチャーである半導体の品質や信頼性の向上を通じて、社会の持続可能な発展に寄与しています。詳しくは当社ウェブサイト(www.advantest.com/ja/)をご参照ください。
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