アドバンテスト、NXP Semiconductors社、アリゾナ州立大学が共同で初のテスト・エンジニアリング・コースを開始

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株式会社アドバンテスト(本社:東京都千代田区 社長:吉田 芳明)と米国 アリゾナ州立大学(ASU)は、世界的な半導体メーカーであるNXP® Semiconductors社と共同で、ASUにおいて初のテスト・エンジニアリング・コース「EEE 522 Radio Frequency Test」を設置することを発表しました。

テスト・エンジニアの育成に特化したこのコースのカリキュラムは、ASUのイラ・エー・フルトン工学部の教員が独自に開発した授業内容をもとに、2023年春学期に当社とNXP Semiconductors社の共同で実施した実験内容を加え充実させたものです。このコースは今後ASUにおいて毎学期開講される予定です。

アリゾナ州には半導体産業が集積しており、多くの半導体メーカーが生産拠点を設けています。2022年には先端半導体の新工場建設が相次いで決定するなど、テスト・エンジニアの需要はますます高まっています。半導体テスト業界を担う人材の育成が急務であるにもかかわらず、アリゾナ州の大学の工学部にはテスト・エンジニア育成のためのカリキュラムが設けられていませんでした。そこでアリゾナ州に拠点を持つ当社とNXP Semiconductors社がASUに働きかけ、同学の大きな賛同を得てテスト・エンジニアリング・コースの新設に至りました。

なお、コースに必要なラボの開発にあたり、当社は最新のSoCテスト・システム「V93000」を寄贈しました。さらにNXP Semiconductors社のエンジニアとともにラボのスーパーバイザーとして参加します。学生が業界をリードする半導体試験プラットフォームに慣れ親しむことを通じて、コースの目的であるテスト・エンジニアの養成を支援しています。

今回、ASUのイラ・エー・フルトン工学部の一部であるSchool of Electrical, Computer and Energy Engineering (ECEE)を通じて提供されるコース「EEE 522 Radio Frequency Test」では、ミクスド・シグナルおよびRF回路における現在のテスト・スキーム、量産テストの経済性、テスト・コスト削減に関する最新の研究調査方法といったテーマを取り扱います。学生は、テスト条件とテスト・フローの定義、テスト・プログラムの作成と最適化、測定データの解釈、潜在的な製造上の問題の特定、テストプロセスの自動化などについて学びます。

当社およびNXP Semiconductors社はいずれもアリゾナ州に複数の拠点を持っています。本コースをはじめ、今後追加される可能性のある新たなコースについても、継続して現地でサポートを提供していく予定です。

NXP Semiconductors社 Raghu Maddali 氏(Senior Director, Test Engineering)コメント

この新しいコースの誕生は、産学の真のコラボレーションによって生み出されたものです。この素晴らしい取り組みを短期間で実現できたことは、関係者の献身的な努力の賜物です。

アリゾナ州立大学 Sule Ozev氏(Professor, School of Electrical, Computer and Energy Engineering)コメント

アドバンテストの協力を得て、新しいコースのカリキュラムをゼロから作り上げることに参画できたことをうれしく思います。このプログラムが、半導体業界で必要とされる次世代のテスト・エンジニアの育成につながることを楽しみにしています。

Advantest America, Inc. Paul Hirsch(Senior Global Account Manager) コメント

このプロジェクトはRaghu Maddali氏と私的なアイデアを共有したことから始まり、アイデアという種が瞬く間に具体的な手段へと花開きました。このコースは産業界で求められる実践的なトレーニングを学生に提供するとともに、半導体産業、そしてアリゾナの経済を促進することにつながっていくでしょう。

新しいコースのために開発したテスト回路を確認する様子

アリゾナ州立大学 イラ・エー・フルトン工学部について

アリゾナ州立大学のイラ・エー・フルトン工学部は、3万人以上の学生が在籍する全米最大の工学・技術者養成機関で、7つの学部、48の大学院と25の学位プログラムを提供しています。中でも電気・コンピュータ・エネルギー工学部(ECEE)は、世界を変える革新的な研究を通じて電気・コンピュータ工学を発展させるとともに、コンピュータや電力網の緊急課題に取り組む人材を輩出することに取り組んでいます。全米50州、135カ国から集まった学生、教員、研究者を擁するフルトン工学部は、スケールの大きな研究とイノベーションの推進、工学教育の革新、グローバルなアウトリーチとパートナーの関与の拡大を通じて、優れた工学のための包括的環境を創造しています。Fulton Schools of Engineeringの2022年度の研究費の総額は1億3500万ドルです。
Fulton Schools of Engineeringについて詳しくは engineering.asu.edu を、ECEEについては ecee.engineering.asu.edu をご覧ください。

アドバンテストについて

アドバンテストは、計測技術をコアテクノロジーとするテスト・ソリューションカンパニーです。1954年の創業以来、エレクトロニクスの発展とともに成長し、人びとの暮らしの「安全・安心・心地よい」をサポートしてきました。主力製品となる半導体試験装置は世界最大手であり、当社の海外売上高比率は9割を超えています。アドバンテストは、「先端技術を先端で支える」という企業理念のもと、進展著しいデジタル社会のインフラストラクチャーである半導体の品質や信頼性の向上を通じて、社会の持続可能な発展に寄与しています。詳しくは当社ウェブサイト(www.advantest.com/ja/)をご参照ください。

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